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28話 あやしい人影

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-07-04 07:00:37

*フィオーレの視線♢英雄の娘への好奇心

 冒険者ギルドの喧騒の中、高ランク冒険者であるフィオーレは、ギルドの受付でレティアの話を耳にしていた。英雄の娘として注目を集める彼女を一目見ようと、好奇心半分でその場に向かったが、レティアの雰囲気や無邪気な笑顔に思わず目を奪われた。その視線を感じ取ったのか、レティアが一瞬フィオーレの方を振り向いた。だが、フィオーレはすぐに顔をそらし、まるで何事もなかったかのように受付に目を向けた。

『ふーん。英雄の娘……ね。親の名前だけで注目されるなんて、どれほどの実力かしら? わたしだって、さんざん家柄のお陰でとか言われて苦労して努力して、実力を身につけたのよ。』

 そう心の中で呟く一方で、彼女の心には妙な違和感が芽生えた。興味というより、どこか気になって仕方がない感覚に駆られていた。

 フィオーレはその後も壁際に立ち、レティアの動きを静かに観察していた。レティアがギルドを後にすると、彼女はそっとその後を追いかけることを決意する。カウンターの前でルーシーと話している姿が目に入ると、なぜか胸の奥にちくりとした感覚が広がったが、気にしないよう頭を振った。

「……実力なんてないくせに……興味本位でついて行ってるだけ。別に気になるわけじゃないわ。たんなる暇つぶしよ……」

 そう自分に言い聞かせながらも、フィオーレは影に隠れるようにして二人の姿を追う。

♢追跡と驚愕☆レティアの真の実力

 ギルドを出た後、レティアとルーシーは町外れの森の方へ向かい始めた。夕日に照らされる二人の後ろ姿を見つめるフィオーレは、ふとそのレティアの無邪気さに少し引き寄せられる自分を感じてしまった。

『いえ、違う。ただ確認しているだけよ……どんな子なのかをね。』

 心の中でそう繰り返しながら、フィオーレは距離を保ちつつ静かに後をつけていく。

 森に入る頃、二人が魔物と遭遇する場面を目にしたフィオーレは、その瞬間驚愕せざるを得なかった。想像以上の素早い動きと緻密な連携、そしてレティアの圧倒的な力。それは、親の名声による「英雄の娘」ではなく、紛れもなく彼女自身の実力だと理解させるに十分だった。

 フィオーレは、隠れた木陰で立ち尽くしながら、胸が高鳴るのを抑えきれなかった。

『あんな無邪気な顔で……これほどの力を……。どれだけ苦労をしてきたのかしら……』

 自分の中で何かが変わる瞬間を感じながら、フィオーレはレティアをさらに追い続けることを決心した。

♢フィオーレの葛藤☆ルーシーへの嫉妬と自己肯定

 彼女の無邪気な笑顔や、周囲の人々を自然と引きつけるその雰囲気に、どこか心を奪われる自分を感じて自分と重ねていた。しかし、ふと隣にいるムスッとした表情のルーシーが視界に入り目を向けると、思わず眉をひそめた。

『隣りにいたムスッとした子はなんなの!? あの子、ふさわしくないわね。魅力が、あのムスッとした子のお陰で……魅力が半減じゃないのよ。それにたいした実力もないじゃないの……』

 心の中でそう呟きながら、フィオーレは少し不満げに唇を尖らせた。

『そう……隣りにいるのは、このわたしのように、可愛らしい容姿の子がふさわしいわ!』

 そう思いながら、フィオーレは自分の姿を思い浮かべた。

 彼女の銀髪は、月光をそのまま閉じ込めたかのように輝き、腰まで流れるストレートヘアが風に揺れるたびに柔らかな光を反射する。その澄んだ水色の瞳は、静かな湖面を思わせる透明感を持ち、見る者を惹きつける魅力があった。透き通るような白い肌は、頬にほんのりピンク色を差し、感情が顔に出るたびにその可憐さが際立つ。

 純白を基調としたローブには金色の刺繍が施され、星や魔法陣の模様が美しく描かれている。腰に結んだ薄い水色の帯が、彼女の動きに合わせて軽やかに揺れ、その姿はまるで絵本から飛び出してきたような可憐さを感じさせた。

『あのムスッとした子より、わたしの方がずっとあの子にふさわしいわ!』

 フィオーレは心の中でそう確信しながら、レティアとルーシーのやり取りを見守り続けた。その瞳には、どこか対抗心と期待が入り混じった輝きが宿っていた。

☆決意の魔法♢フィオーレの実力

「わたしだって……! あのムスッとした子より役に立てるんだから!!」

 フィオーレは心の中で渦巻く感情を抑えきれず、近くに潜んでいた魔物の気配に目を向けた。その瞳には、焦りと苛立ち、そしてどこか寂しさが混じっていた。

 彼女の銀髪が風に揺れる中、フィオーレは杖をしっかりと握りしめ、魔力を集中させた。周囲の空気が一瞬静まり返り、彼女の周りに淡い光が集まり始める。

「……わたしだって、負けないんだから!」

 その言葉とともに、フィオーレは杖を振り上げ、強力な魔法を放った。

 彼女の得意とする氷と光の複合魔法が炸裂し、眩い光とともに氷の結晶が空中に舞い上がる。その美しさとは裏腹に、魔法の威力は圧倒的だった。魔物は一瞬で凍りつき、次の瞬間には砕け散り、跡形もなく消え去った。

 フィオーレは息を整えながら、杖を下ろした。魔物を討伐した達成感よりも、心の中に残るモヤモヤとした感情が彼女を支配していた。

「ふん……これくらい、当然よ。」

 そう呟きながらも、彼女の表情にはどこか満たされないものが浮かんでいた。

「あの子の側に、わたしが一緒にいてあげてお世話したり……支えになってあげなくちゃね。」

 再び、小さくつぶやき決心をした。

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